三井住友銀行が「テレワーク導入支援事業」を開始

新型コロナウイルスの影響で、全国的に注目されている「テレワーク」ですが、費用面においてなかなか導入に踏み切れないという企業も多いようです。

そこで現在、国や自治体を中心にテレワーク支援事業や助成事業が行われていますが、今回、民間企業として初めて大々的な支援事業を三井住友銀行が打ち出しました。

この記事では、三井住友銀行が支援する「テレワーク導入支援プログラム」について解説していきたいと思います。

(※残念ながら、このプログラムは現在終了しています)

目次

テレワーク導入支援プログラムの概要

それでは早速、三井住友銀行が行う「テレワーク導入支援プログラム」の概要について説明します。

事業の内容、支援金額

まずは「事業の内容、支援金額」について。

この事業の内容としては、三井住友銀行が指定するサービス(内容については後述)を導入した顧客に対し、そのサービスの導入日から1年間、サービス料を顧客に代わって三井住友銀行が負担するというものです。

1社あたりの上限額は「50万円(税込)」となっており、総額で10億円の予算を設定していますから、上限としては2,000社程度の利用を想定しているようです。

ですので、予算上限となり次第終了となりますから、検討中の方は出来るだけ早めの申し込みが必要となります。

実施期間

このプログラムの実施期間は、2020年6月12日(金)~2020年8月31日(月)となっており、前述したように、予算上限額に達し次第終了となります。

この期間内に、三井住友銀行の指定するサービスと契約する必要があり、仮に、既にそのサービスを導入しているのであれば、今回の支援プログラムの対象外となるようです(当支援プログラムの申し込みから直近12ヶ月以内に契約実績がある場合)。

対象となるテレワークに必要なサービス

そして次が、対象となるテレワークに必要なサービスについて。

一覧とその内容は以下の通り。

サービス一覧

bellface(ベルフェイス)
電話回線を利用したオンライン商談システム。電話で話している取引先に、ベルフェイスの接続ナンバーを送るだけで、すぐにWeb会議のように画面を通して商談が可能となるシステム。
Chatwork(チャットワーク)
現在、日本国内で利用者が急増しているビジネスチャットツール。社内とのやり取りだけでなく、社外の人とも簡単に共有できるためテレワークには必須のツール。
mitoco(ミトコ)
株式会社テラスカイが提供するグループウェア。グループウェアとは、「社員のスケージュール管理」「社内掲示板」「社内チャット」などの機能を全て兼ね備えたサービス。グループウェアを導入するだけで、テレワークに必要となる機能をほとんど揃える事が可能となる。
SMBCクラウドサイン
クラウド型電子契約システム。三井住友フィナンシャルグループが、弁護士ドットコムの運営するクラウドサインと提携したサービス。このサービスを利用する事で、契約を全てオンライン上で完結できるシステム。

それではここで、従業員数10名の法人と50名の法人が、上記サービスを一年間利用した場合の料金を比較してみましょう。それぞれ、最低額のプランで月額費用を表示します。

従業員数10名従業員数50名
bellface初期費用+9,000円/月(1ユーザー)初期費用+9,000円/月(1ユーザー)
Chatwork500円/月(1ユーザー)500円/月(1ユーザー)
mitoco初期費用+800円/月(1ユーザー)初期費用+800円/月(1ユーザー)
クラウドサイン月額10,000円+(送信件数×200円)月額10,000円+(送信件数×200円)
年間合計初期費用+384,000円~初期費用+1,008,000円~

※1 ベルフェイスは1ユーザーのみの使用で計算。
※2 クラウドサインは送信件数を「0」として計算。

上記で考えると、従業員数10名程度であれば、全てのサービスを導入しても50万円以内に収まりますから、実質無料で利用できるという訳ですね。

もちろん、全てのサービスを導入する必要はなく、例えば従業員数50名の企業であれば、チャットワークだけを導入すれば、「500円/月×50名×12ヶ月」で年間30万円となりますから、これだけでも利用する価値はあると言えます。

対象となる企業、利用条件

そして次が「対象となる企業、利用条件」について。

基本的にこのプログラムは、国内の「中堅、中小企業」が対象となり、大企業は利用できませんのでご注意ください。対象となる企業は以下の通り。

プログラム対象企業
  • 三井住友銀行の「法人口座」を開設している企業
  • 三井住友銀行が提供するサービス「Biz-Create」に登録している企業

上記Biz-Createは、事前に登録している必要はなく、当プログラム開始後の登録でも対象となります。

そして次が利用条件。以下の3つの条件を「全て」満たす必要があります。

利用条件
  1. Biz-Create上で、希望するサービス事業者への商談エントリー
  2. 「Plari Town」への会員登録
  3. 「Plari Town」上での本プログラムへの申し込み

上記からわかるように、自分で直接サービス事業者と契約するのではなく、三井住友銀行が提供するサービスを経由してサービスに申し込む必要があるようです。

詳しくは、三井住友銀行HPの「テレワーク導入支援プログラムについて(PDF)」のページからご確認ください。

まとめ

この他にも、民間企業が新型コロナウイルス対策としてテレワーク導入支援を行っている事もありますが、そのほとんどが「1ヶ月間利用無料」とか、「初期費用無料」となっていますから、今回の三井住友銀行の試みは画期的だと言えます。

もちろん、三井住友銀行の口座を開設しなくてはいけませんから、ビジネス的な側面も否定できませんが、既に口座を開設している企業であれば、一度検討してみるのも良いかもしれません。

ただし、前述したように予算上限額が決まっているため、検討されているのであれば早めに申請する必要があるでしょう。

この他、自治体などが行っているテレワーク助成について知りたい方は、当サイト内の「テレワーク関連」のページも参考にしてみて下さい。