士業の集客に「スキルシェアサービス」「クラウドソーシング」を利用するのも面白い

昔から集客においては様々な方法やツールがありますが、最近ではインターネット技術の進化により、これまでにない全く新しい集客方法も出現しています。

その中に「スキルシェア」「クラウドソーシング」というサービスがあり、ここ数年でその認知度もどんどん高まってきています。

これらのサービスを利用することで、安価でしかも効率の良い集客が可能となり、最近では法律や会計などといった専門分野への業務依頼も増えていますから、士業の方にとっても集客における新しい選択肢のひとつとなりつつあります。

そこでこの記事では、そもそもこの「スキルシェアやクラウドソーシングとは一体何なのか?」という事や、士業の方がこれらのサービスを利用する事によるメリットなどについてお伝えしようと思います。

スキルシェア、クラウドソーシングとは?

まず、「スキルシェア」とは一体何なのか?という事ですが、これは直訳すれば、インターネット上のサイトにおいてそれぞれの「スキル(技能・技術)」を「シェア(共有)」するサービスという事になります。

要は簡単に言うと、「それぞれの特技をサイト上でアピールし、それを必要とする人がいれば、いつでも売り買いできますよ」といったところ。

これを違った表現で「スキルのフリーマーケット」などと呼ぶこともあり、ニュアンスとしてはこちらの方が分かり易いかもしれません。

これに対して「クラウドソーシング」とは、「crowd=群衆」「sourcing=業務委託」をかけ合わせた造語となっており、これと似たような言葉でアウトソーシングというものがありますが、アウトソーシングは「特定の企業に外注」することに対し、クラウドソーシングは「不特定多数の人(群衆)に対し、入札形式などを利用して外注すること」という事になります。

つまり、スキルシェアもクラウドソーシングも「サイト上で仕事を探す、紹介する」という事において違いは無く、「言葉は違うが似たようなもの」と考えて頂いても構わないと思います。

そもそもこうしたサービスを提供している企業というのは、サービス開始当初は「イラスト作成依頼」であったり、「ホームページ作成依頼」などといった案件を中心に紹介していましたが、最近では士業などに対する「顧問依頼」であったり「単発業務発注」など、様々な分野へと広がっています。

例えば税理士であれば「節税について提案します」というスキルを売り出しても良いでしょうし、弁理士であれば「商標出願のサポートを行います」といった特定の業務だけを請け負うというのも良いでしょう。

仮に最初は単発業務の発注だったとしても、依頼者がアナタの仕事ぶりを気に入れば、継続的な業務の依頼へと繋がる事もありますから、「とにかく自社のサービスを知ってもらう」という意味でも便利なサービスだと言えます。

通常、士業が自社サービスを広く知ってもらうためには、ブログや自社ホームページなどのWeb集客や、チラシや地域情報誌などを利用した従来からある広告方式がメインとなり、それぞれ時間も費用も掛かってきます。

その点、これらのスキルシェア・クラウドソーシングといったサービスは登録自体は無料となっており、そういった意味では「無料で見込み顧客へとアピールできる」という事になりますから、「なるべく集客にお金をかけたくない」という方には有難いサービスですね。

対象となる士業

とは言え、全ての士業がこれらのサービスを利用できるわけでなく、概ね以下の士業がサービスの対象となります。

対象となる士業
  • 税理士
  • 公認会計士
  • 司法書士
  • 弁理士
  • 行政書士
  • 社会保険労務士

上記を見ると弁護士が対象となっていない事が分かりますが、弁護士は弁護士法第72条において「弁護士でないものは、法律事務などの周旋を行ってはならない」とされています。

 

弁護士法第72条(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)

弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

 

周旋とは「売買などの仲介」を指しますから、こうしたインターネットサービスで弁護士と依頼者を引き合わせるだけだとしても、手数料を徴収する限りこの弁護士法第72条に違反する事となります。

ですから、多くの弁護士が登録しているサービスとして「弁護士ドットコム」などは有名ですが、弁護士ドットコムの立場としては、あくまで「広告スペースを弁護士に提供している」のであり、しかも依頼者との仲介料を徴収していない為、この弁護士法第72条には違反していないという考えのようです。

これは他のサイトでも同様ですが、そう考えると弁護士は広告における制約が厳しくて大変ですよね。

弁護士における説明が長くなりましたが、とにかく、弁護士以外の士業であれば、ほぼこうしたスキルシェアサービスなどが利用できると考えておけば良いでしょう。

士業が「スキルシェア・クラウドソーシング」を利用するメリット

それでは次に、士業がこのスキルシェア・クラウドソーシングを利用する上でのメリットについても見ていきましょう。

手数料が安く設定されている

まず一つ目が、「手数料が安く設定されている」という事。

これはそのサービス提供会社にもよりますが、概ね報酬額の20%~30%程度がサービス会社に対して支払う手数料の平均とされています。

例えば、士業における顧客紹介サービスとして、税理士向けの「税理士紹介会社」などが有名ですが、こうした紹介会社は税理士に対し50%~70%もの手数料を要求しますから、これに比べればかなり安価に設定されている事が分かります。

また、どのスキルシェア、クラウドソーシングサービスも「登録料無料」「月額使用料無料」となっていますから、維持費の面においても安心して利用できるサービスだと言えるでしょう。

決済はサイトが管理してくれるから安心

次が、「業務における決済はサイトが全て管理してくれるので安心」という事。

一般的に、こうしたサービスを介していない場合の請求は、士業から依頼者への直接請求となりますが、ここでよく問題となるのが「未払い」の問題。

特に、新規顧客とのやり取りでは、相手が支払いに対してルーズなのかどうかは事前に分かりませんので、最悪の場合、裁判沙汰となる事もあります。

また、しっかりと支払ってくれるにしても「いつまでに入金される」という事が事前に分からないと、経営上、資金計画にも狂いが生じてしまいます。

ある程度の手数料を徴収されるとはいえ、こうしたサイトが責任をもって決済を行ってくれるのですから、経営者としては安心ですよね。

基本的に、スキルシェアサービス会社などから依頼者への請求は「クレジットカード決済」がメインとなっていますが、その他にも「キャリア決済」「コンビニ決済」「銀行振込」に対応している企業もありますから、依頼者側としても利用しやすいサービスだと言えます。

自発的に仕事を探すことも可能

そして最後が「自発的に仕事を探すことも可能」であるという事。

冒頭で「スキルシェアサービスは、スキルのフリーマーケット」と表現しましたが、こうしたスキルシェアサービスは自分のスキルを出品するだけでなく、「こうした業務を依頼したい」という依頼者側からの情報も掲載されています(クラウドソーシングも同様)。

ただ出品するだけですと、ひたすら購入者が現れるのを待つのみとなりますが、例えば「〇〇の契約書を作成して欲しい」とか、「助成金の申請代行をお願いしたい」「会計ソフトの利用方法を教えて欲しい」など依頼者側からの様々な依頼案件が掲載されていますから、逆に自分の得意分野の依頼を見つけて交渉する事も可能となります。

むしろ「一緒に仕事をしたくないタイプの人から依頼が来るのは嫌だなぁ~」と考えてる人は、逆にこちらから顧客を選べるという点において都合が良いとも言えるでしょう。

このように、「自らスキルなどを出品することが可能」「逆に仕事を探すことも可能」となりますから、特に独立直後で時間的余裕のある士業の方などにはかなり便利な集客手段なのかもしれません。

士業が「スキルシェア・クラウドソーシング」を利用するデメリット

しかし同様にデメリットがあることも否定できません。これらサービスのデメリットについても見ていきましょう。

登録後、すぐに仕事の依頼がある訳ではない

まずは、「登録後すぐに仕事の依頼が発生する訳ではない」という事。

こうしたスキルシェア、クラウドソーシングサービスは、専門家のこれまでの実績などをサイト上で紹介しています。ですから「この税理士は実績が多いな」とか、「この社労士は登録したてだな」などという事がサイトを見るとすぐに分かるようになっています。

依頼者側の立場になれば分かると思いますが、やはりある程度の実績があり、評価の高い専門家に依頼したいと思うのが一般的な考え方だと言えます。

ですから、最初からいきなり依頼が舞い込むわけではなく、少しづつ実績を増やしながら評価を高めつつ次第に依頼者が増えていくといったイメージですね。

ただし、案内文やコメント欄などを工夫する事で依頼者をひきつける事も可能ですから、そこは能力次第といったところでしょうか。

全般的に「単発発注」の案件が多い

次が、「全般的に単発発注の案件が多い」という事。

これは士業の種類にもよりますが、例えば税理士などは出来るだけ「顧問契約」に結び付け、長期的な契約をしたいというのが本音でしょう。

しかしこれらのサービスは、どちらかというと1回の依頼だけで完了する仕事が多いため、継続業務を希望している方には向いていないかもしれません。

もちろん、中には長期的な顧問契約を望む依頼者もいるにはいるのですが、全体で考えればごく少数であるというのが実態です。

むしろ、長期的な契約を望むのであれば、サイト上で依頼者に対して見積もりを送る事ができる「ミツモア」というサービスを利用したほうが良いのかもしれません。ミツモアであれば、長期の顧問契約の案件が多いので「単発より継続業務が良いな」という方には向いているサービスだと言えます。

ミツモアについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧になってみて下さい。

 

 

ただし、ミツモアに登録できる士業には制限があり、それが「税理士」「弁理士」「社労士」「行政書士」の4士業のみとなっていますのでご注意ください。

とは言え、単発業務でも高単価の依頼もありますから、一概にどちらが良いとは言い切れない部分もあるでしょう。どちらも登録は無料ですから、とりあえず全て登録しておいて様子を見ながら「自分はこっちが向いているな」と判断した後に、自分に合っているサービスへとシフトしていくのも良いかもしれません。

スキルシェアサービスなら「ココナラ」がおススメ

それでは実際、「どんなサービスがおススメなのか?」という事で、まずはスキルシェアのおススメサービスをご紹介したいと思います。

世の中には数多くのスキルシェアサービスがありますが、士業が利用するなら何と言っても「ココナラ」がおススメです。

ココナラの特徴

単におススメといわれても、どうおススメなのかもよく分かりませんよね。そこでまず、ココナラの特徴について見ていきましょう。

ココナラは株式会社ココナラという企業が提供するサービスで、冒頭でもお伝えしたように、サイト上でスキルや知識を売り買いできるというサービスです。

ココナラで利用できるサービスは多岐に渡り、代表的なものとしては以下のようなものがあります。

ココナラのサービス
  • イラスト・似顔絵・漫画
  • Webサイト制作・Webデザイン
  • 音楽・ナレーション
  • IT・プログラミング
  • ビジネスサポート・代行
  • 集客・Webマーケティング
  • 美容・ファッション・健康
  • 占い
  • 士業

これ以外にもたくさんのサービスが利用でき、会社員の副業として利用する人もいれば、独立直後のマーケティングとして利用する人もいるようです。

売買が成立した場合、専門家がココナラに支払う手数料は25%(別途消費税)となっており、約3割程度を支払う事になりますから、これを安いと考えるか高いと考えるかは判断の分かれるところでしょう。

依頼者の属性としては、法人よりも個人が圧倒的に多いという特徴があります。

ココナラで人気の「士業サービス」

それではこのココナラに士業が登録するとして、一体どのようなサービスが依頼者から人気を得ているのかについても見ていきましょう。

人気の「士業サービス」
  • 確定申告の依頼           - 税理士
  • 助成金の申請代行、又は内容チェック - 社労士
  • 契約書の作成、又は内容チェック   - 行政書士
  • 商標調査、申請サポートなど     - 弁理士

この他、税理士に対する「節税の相談」や、社労士に対する「就業規則の作成依頼」など様々な依頼がありますが、あえて似たようなサービスを出品する必要は無く、むしろ自分が「このサービスは世間に需要があるだろう」と考えるサービスを提供するのも面白いかもしれません。

報酬額としては、3,000円~50,000円の範囲で設定される事が多く、「相談に応じる」といった程度の業務なら良いかもしれませんが、申請代行などの業務であれば少し割に合わないという側面も否定できません。

ココナラに登録するのが向いている人

それでは最後に、上記の内容を踏まえながらココナラに登録するのが向いている人についても考えてみましょう。

ココナラが向いている人

  • 閑散期のスキマ時間を利用したい人
  • 独立開業後、少しでも売り上げが欲しいと考えている人
  • そもそも、単発業務の多い士業(弁理士、行政書士など)
  • 法人案件より個人案件の方が得意な人

まず、ここまでの内容を読んでもらえばお分かりになると思いますが、そもそもココナラは単発案件が多いため、継続的な契約の締結に至りにくいという特徴があります。ですから、あくまでも「スキマ時間の利用」や、独立後、「少しでも良いから売上げが欲しい」と考えている人には向いていますが、メインの集客手段として利用するのは少し無理があるかもしれません。

しかし、弁理士や行政書士の方のように、「そもそも単発業務が多い」という士業であれば、工夫次第では便利な集客ツールとなる可能性はあります。

また、全般的に法人の依頼よりも個人からの依頼の方が多いため、単価が安くなりがちですが「むしろ個人向け案件が得意だ」という人であれば、このココナラを利用する価値は十分にあると言えるでしょう。

 

 

クラウドソーシングなら「クラウドワークス」がおススメ

そして次にクラウドソーシングのおススメサービスですが、これは何と言っても「クラウドワークス」が一番だと言えます。

それでは、クラウドワークスをお勧めする理由についても見ていきましょう。

クラウドワークスの特徴

まずはクラウドワークスの特徴について。

クラウドワークスは2011年に設立された企業で、クラウドソーシングを手掛ける企業としては国内最大級の規模を誇る企業となっています。

同じようにクラウドソーシングの会社として「ランサーズ」という企業も有名ですが、「登録者数」「業務案件数」で言えば、圧倒的にクラウドワークスの方が多いため、仕事を簡単に探しやすいというメリットがあります。

専門家としての登録者数は400万人近くもいるため、少し競争が激しいかなと感じるかもしれませんが、依頼する側の企業も70万社以上ありますから、かなりの案件数があるのでそれほど心配する必要はありません。

サービス提供開始当初は、「記事のライティング」「データ入力」といったどちらかというと軽作業で報酬が低い案件が多かった印象がありますが、ここ数年で企業や官庁などのプロジェクト案件なども増えてきているため、昔に比べると単価の高い案件も多くなっています。

クラウドワークスで人気の士業サービス

それでは次に、クラウドワークスで人気の士業サービスという事ですが、人気上位としては専門性を活かした「ライティング作業」が目立ちます。

例えば、自社のHPやブログにおいて専門的な内容を発信する場合に、その法的根拠などを補完するため「弁護士監修記事」や「税理士監修記事」などと記載する事があるかと思いますが、そのような記事作成の依頼が件数で言えばかなり多い印象があります。

この場合、「1文字〇円」「時給〇千円」などといった報酬となり、単価はそれほど高くありませんので、あくまでも「スキマ時間」を利用した作業と割り切るのであれば良いのでしょうが、高単価を狙うとすれば、あまりこうしたライティング作業というのは効率的ではないと言えます。

その他の案件としては、前述したココナラと内容はそれほど変わりませんが、全般的に法人からの依頼が多いため単価が高いという傾向があります。

クラウドワークスに登録するのが向いている人

それでは最後に、クラウドワークスに登録する事が向いている人についても考えてみましょう。

クラウドワークスに向いている人

  • ライティング、記事作成が得意
  • 高単価を狙いたい
  • 法人案件を受注したい人

様々な案件があるとはいえ、やはりライティングの依頼が中心となりますので、「土日のスキマ時間を利用して、簡単な作業を受注したい」という人や、「もともと文章を書くのが好き」という人なら、このクラウドワークスはうってつけといえます。

ただし前述したように、ライティングの単価はそれほど高くありませんからご注意ください。

また、ココナラに比べれば法人からの依頼がかなり多くなりますので、それだけ単価も高い案件が多くなります。ですから、「高単価を狙いたい」「法人案件を受注したい」という人は、ココナラよりもこのクラウドワークスに登録したほうが良いでしょう。

 

 

まとめ

如何でしたでしょうか?

ここで、この記事を読んで誤解して頂きたくないのですが、当サイトとしては何も「士業の人ならスキルシェアサービスや、クラウドソーシングを積極的に利用しましょう」お伝えしたいわけではありません

この記事内でも説明している通り、あくまでも「集客のひとつ」「営業手段のひとつ」として提案しているだけで、これを集客手段のメインに利用出来るとは全く考えていません(もちろん、中にはそれを可能とする人もいるでしょうが)。

多くの士業の方は、特に独立当初は顧客も少ないため、経営面において大変だという人が多いかと思います。

出来れば開業当初からどんどん仕事が舞い込んでくるのが理想ですが、現実的にはその様な事はほとんどありませんので、何かしらの収入を得る方法を考えなくてはいけません。

その点において、こうしたスキルシェアやクラウドソーシングは手軽に収入を得る事が出来ますので、「とりあえず収入を得る手段」として利用してみるのも良いのではないでしょうか?