士業のSNS活用はどう考える?

近年、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の普及により、多くの方がこのサービスを利用するようになりました。

当サイトは税理士向けの情報を中心にお伝えしていますが、税理士に限らず、現在では多くの士業の方がSNSを利用するようになり、人によっては、無くてはならないツールとなっているようです。

ただ、便利なサービスにように思えるSNSですが、同時に多くの問題を有しているのも事実です。

そこでこの記事では、SNSにはどのような種類のサービスがあるかという事や、また、使用する際の注意点などについてお伝えしていこうと思います。

目次

SNSとは?

まず、ご存知の方も多いと思いますが、「SNSとは何か?」についてからご説明しようと思います。

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)という事は、読んで字のごとく、社会的な(ソーシャル)、繋がりを構築する(ネットワーキング)、サービスという意味になります。

つまり、「世間のあらゆる人と、簡単に繋がる事が出来るサービス」という訳ですね。

昔は、知らない人と関係を構築するのは並大抵の事ではありませんでした。しかし、インターネットの登場により、Webを活用する事で、簡単に多くの人と繋がれるようになったのです。

それを提供するサービスが、このSNSという事になります。

SNSの種類

一口にSNSと言っても、世の中には数多くのサービスが存在します。また、用途も様々で、利用目的によって使い分けている人もいるようです。

用途ごとに大別すると、下記のようになります。

用途別SNSの種類
  1. 交流系
  2. 写真系
  3. 拡散系

それでは、それぞれの代表的なサービスについて見ていきましょう。

交流系SNS

交流系SNSで一番メジャーなのは、何と言っても「Facebook(フェイスブック)」でしょう。2019年5月現在、ユーザー数は世界で約15億人、日本国内だけでも2800万人いると言われています。

登録は無料ですが、「実名登録」が原則ですので、相手の身元が分かり、安心して利用できると考える人が多いようです。

こういった事から近年では、ビジネスに利用する人も増えています。

また、同じく交流系SNSとして有名なのが「LinkedIn(リンクトイン)」です。

こちらのユーザー数は、世界で約6億人、日本国内で200万人と、Facebookにはやや見劣りしますが、ビジネスに特化したSNSとして、徐々に認知され始めています。

フェイスブックとリンクトインは、どちらも交流系のSNSですが、大きな違いとしては、「フェイスブックは、友人、知人など多くの人と繋がる」事が出来ますが、「リンクトインは、ビジネス特化型のSNS」であるというところでしょう。

写真系SNS

ここ数年で爆発的にユーザー数を伸ばしているのが、この「写真系SNS」です。

この代表的なサービスが、「Instagram(インスタグラム)」ではないでしょうか。

2019年5月時点におけるインスタグラムのユーザー数は、世界で約10億人、日本国内で2900万人と、国内に限って言えば、フェイスブックのユーザー数を超えています。

最近、インスタ映えなどという流行語も作り出すほど、勢いのあるSNSです。

基本的に、写真投稿をメインとしているので、物販などに利用する企業が増えています。

拡散系SNS

「拡散系SNSって何?」と思うかもしれませんが、基本的に交流系SNSと本質は変わりません。

どちらも文章や写真、動画などをインターネット上に投稿すること自体は同じです。

一番の違いとしては、拡散系SNSは、他人の投稿をコピーして転載する事が容易ですので、一気に情報が拡散しやすいという特徴があります。

代表的なサービスが、「Twitter(ツイッター)」ではないでしょうか。

2019年5月時点におけるツイッターのユーザー数は、世界で約3億人、日本国内で4500万人ですから、国内ではメジャーなSNSと言えます。

各SNSのメリットと注意点

それでは、上記でお伝えしたメジャーなSNSについて、それぞれのメリットと、利用上の注意点についてお伝えします。

現実的に言えば、インスタグラムなどを士業の方が営業で利用するイメージがありませんので、ここでは、フェイスブックとツイッターについてのみお伝えしようと思います。

Facebook

今や、フェイスブックと言えば、グーグル、アマゾン、アップルと並び、アメリカを代表する企業へと成長しています。

この4つの企業の頭文字をとって、最近ではGAFA(ガーファ)などと呼ばれる事もあります。

基本的な機能としては、記事(テキスト)や、写真、動画の投稿などができ、ちょっとしたブログとも見る事が出来ます。

使い方も簡単なことから、店舗のHP代わりに利用している人も多いですね。

「いいね!」という機能は、現在では多くの人が知っていると思いますが、これは、知り合いが書いた記事などに対して評価するというものです。

コメント機能もあるので、フェイスブック上の知り合いのページを見て、「いいね!」したり、コメントしたりして交流を深めるというサービスと言えば分かり易いでしょうか。

Facebookを士業が利用するメリット

記事や写真などを投稿しなくても、フェイスブックに登録さえすれば、知り合いの記事などを見る事が出来ます。

ですから、「投稿するのはちょっと・・・、でも、友達とは交流したい」という利用方法も可能です。

また、仮に「一部の人だけに投稿を見てもらいたい」という場合でも、閲覧制限をかけることで、安心して利用する事が出来ます。

これとは逆に、前述したように店舗や企業なども登録可能で、こういった場合閲覧制限をかけず、むしろ誰でも見れるようにしています。つまり、営業ツールとして利用しているという訳です。

実際、士業の方でもフェイスブックを営業ツールとして利用されている事があります。

この場合の利点は、フェイスブックには「シェア機能」というものがあり、ある人がアナタの記事を気に入ってシェア(共有)すると、その友達もその投稿を目にする事になります。

そしてその友達も気に入ってシェアし、次々と広がっていくのです。要は「拡散力」があるという事です。

例えば、アナタが税理士として、集客のためにホームページやブログを運営しているとします。少しでも多くの人にアナタのサイトを見つけてもらえれば、契約に結び付く可能性が高まりますね。

そこで重要となるのが、検索サイトで、如何にアナタのサイトが上位表示されるかという事。

通常、多くの人はGoogleやYahoo!などでサイトを検索します。しかし、検索のワードにもよりますが、せいぜい上位10件から20件程度に表示されなければ、アナタのサイトに辿り着くことは難しいでしょう。

上位表示されるためには、運営期間やSEO、ドメインパワーなど、様々な要素が必要となります。

ここでフェイスブックを利用する事の価値が出てきます。

先ほど「フェイスブックには拡散力がある」とお伝えしましたが、フェイスブックで拡散されると、そこからアナタのブログなどに流入する事があり、多くの人にあなたのサイトを知ってもらうことが出来るのです。

営業目的で利用するなら、ここが一番の利点だと言えます。

また、営業目的以外で利用するにしても、セミナーや交流会など、限定的な人の集まりの「連絡手段」として利用している事も多いようです。

ポイント

  • 小規模店舗のHP代わりとして利用が可能
  • 「シェア機能」を利用すれば、かなりの拡散力も期待できる
  • フェイスブックから自身のブログやHPへの流入が期待できる
  • 知人間の連絡手段としても活用できる

Facebookの注意点

一見すると、良い事ばかりのように思えるフェイスブックですが、便利な反面、注意しなくてはならない事が多いようです。

まず、士業に限らず、利用する人全員が注意する点としては、

利用者全員に言える事
  1. 個人情報流出の懸念
  2. 偽ニュースの蔓延

といった事に注意する必要があります。

Facebook自体も、これらに対し迅速な対応をしているようですが、未だに抜本的な解決には至っていないようです。

では次に、士業が利用する上での注意点として、

士業の方の注意点
  1. 時間を取られ過ぎる
  2. 「いいね!」「シェア」のお願いが多い
  3. 「友達申請」「承認」に気疲れする
  4. 批判的、ネガティブな意見に辟易する
  5. Facebookに投稿した記事は、埋もれてしまう

といったものが挙げられます。

確かに自分を知ってもらうため、交流の幅を広げるためには便利なツールですが、上記のようにフェイスブックに振り回されて疲れ果てている人も多く見かけます。

ツールとは「道具」という意味ですので、何でも使い方次第といったところでしょう。

様々なサイトで、「営業するなら、フェイスブックを利用すべし」みたいな記事を見かけますが、当サイトとしては士業の方にはあまりお勧めしていません。

アナタが好きでやっているのなら構いませんが、「営業ツールとして」と考えているなら、「ほどほどに」とお伝えしておきます。

実際、数年前「フェイスブック最高です!今までにない出会いがありました!」なんて書いている人が、最近になって「・・・もう、フェイスブック疲れました」なんて書いている事も多いことを考えればよく分かりますよね。

ポイント

  • フェイスブックに振り回されている人がかなり多い
  • 暗黙のルールも数多く存在するため、それだけで気疲れしてしまう
  • あくまで営業の「手段」であるのに、フェイスブックをすることが「目的」となってしまっている人が多い

Twitter

フェイスブックは実名での登録となりますが、これとは逆にツイッターは「匿名」で利用する事が出来ます。もちろん、実名での投稿も可能です。

フェイスブックよりも手軽に投稿できますが、文字数の上限が140文字となっており、簡潔な内容でないと伝わりにくいという難しさもあります。

世間一般の認識としては、ツイッターはSNSと見なされていますが、ツイッター経営者自身は、拡散性の高さ、情報量の多さから「ニュースサイト」的な位置づけと考えているようです。

実際、良くも悪くも、情報の伝達速度としては、トップクラスのスピードを有していると言えるでしょう。

Twitterを士業が利用するメリット

人それぞれ、ツイッターに感じるメリットは異なると思いますが、士業に方に限って言えば「情報収集」「情報拡散」、あとはやはりSNSですから、「交流の場」としての価値が挙げられます。

まず「情報収集」についてですが、ツイッターの一番の魅力は、何と言っても情報の速さ、つまり「即時性」です。

基本的に士業の方は、法律を相手に仕事をしています。法律にはそれほど即時性が必要とされていませんが、国会審議入りした際などは、クライアントから相談を求められることもあるでしょう。

その際、「知りませんでした」では心もとないので、こういった情報収集は普段から必要となってきます。

次に「情報拡散」ですが、これは営業ツールとして利用する事が多いようです。

特に、ブログを運営している士業の方は、ブログの更新情報をツイッターに載せる事で、より多くの方に見てもらう事が出来る事から、ツイッターとブログ運営は切っても切れない関係と考えている人も多いです。

最後に「交流の場」としてですが、やはりフェイスブックと同じように、人脈作りにおいて便利なツールと言えるでしょう。

ポイント

  • 「情報収集」「情報拡散」においては最強のツール
  • ブログなどと併用することで、ブログへの流入を増やすことも可能
  • 使い方次第では、人脈作りにおいても便利なツール

Twitterの注意点

しかし便利な反面、ツイッターはフェイスブック以上に取り扱いに注意しなくてはいけません。

一般の方、士業の方にかかわらず、ツイッターの注意点としては以下の通り。

Twitter利用時の注意点
  1. 嘘の情報が多い
  2. 「炎上」しやすい
  3. 誹謗、中傷が多い

情報収集に最適とはいえ、嘘の情報も多く、それによる被害も数多く報告されています。

こうした事から、利用者側の情報選別能力が必要とされます。

また、良い情報だけ拡散してくれれば良いのですが、悪い情報も同じように拡散するため、炎上の原因となりやすく、営業ツールとして便利だと思っていたのに、全くの逆効果になる場合があります。

「諸刃の剣」と捉え、慎重に利用しなければいけません。

また、炎上しなくとも、しつこいくらいの「誹謗、中傷」を受ける事があります。

自分が良かれと思って投稿しても、読み手にとってはどうしても許せない事もあります。こうなると、どちらも譲らなくなって中傷合戦なんてこともありますから、多くの人と繋がるというのは、簡単とは言えませんね。

ツイッターは投稿が簡単な分、その内容について安易に考えてしまいがちになります。簡単に考えず、投稿前に一度読み直すくらいの慎重さを持った方が良いでしょう。

ポイント

  • 取り扱いにおいては、SNSの中でも一番注意が必要となる
  • 誹謗・中傷を受けることもあり、その場合は営業面においてマイナス

まとめ

如何でしたでしょうか?結局、どのSNSも便利な部分もありますが、負の側面も多いという事です。

ですから、利用するなら「いかに上手く利用するか」という事が重要になります。

繰り返しになりますが、どんな便利なツールでも、結局は道具でしかありません。道具は使い手によって結果が大きく変わりますから、SNSが良い悪いというより、使い手が良い悪いという方が正しい見方だと言えます。

あなた自身、「自分は上手に使いこなせるか?」と自問した上で、慎重な利用をお勧めします。

この他、インターネットを利用した集客方法などについては、こちらの記事も参考にしてみて下さい。