
家計簿アプリとして有名な「マネーフォワードME」ですが、これまではこのアプリだけでは確定申告までは出来ませんでした。
しかし今回、このマネーフォワードMEを運営している「株式会社マネーフォワード」という会社は、このアプリだけで確定申告まで完了できる機能を開発したと発表しました。
家計簿アプリで確定申告まででき、しかも無料で利用できるのですから、これまで確定申告で悩んでいた人からすればとても嬉しいニュースですよね(ただし、一部機能については有料)。
そこでこの記事では、マネーフォワードMEに新しく追加された確定申告機能の内容や、使い方などについてお伝えしようと思います。
目次
マネーフォワードMEとは?
まず、マネーフォワードMEの大まかな説明から。
このアプリは、自分の銀行口座やクレジットカード、その他さまざまな金融情報を登録する事により、その取引履歴を自動で取り込んで家計簿を作成してくれるアプリサービスです。
現在、1,000万人以上が利用する人気アプリとなっており、基本的な機能であれば無料で利用する事が可能です。
連携できる金融関連サービスは多岐に渡り、前述した銀行やクレジットカードはもちろんのこと、証券会社や通販サイト、また年金などにも対応しており、現在では約2,600もの金融機関やサービスと連携できるようになっています。
要は、このアプリ一つで自分の資産の動きが簡単に分かるようになるという訳です。
マネーフォワードMEの特徴や機能などについて更に詳しく知りたいという方は、こちらの記事もご覧になってみて下さい。
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なぜ確定申告まで出来るようになったのか?
それでは次に、なぜ家計簿アプリなのに確定申告まで出来るようになったのか?という事について。
このアプリを運営している株式会社マネーフォワードという会社は、現在この家計簿アプリの他に、クラウド会計ソフトの「マネーフォワードクラウド」というソフトも運営しています。
このマネーフォワードクラウドというソフトは、会計ソフトとしてだけでなく、給与計算や社会保険料の計算などの機能も利用できるため、これまで多くの税理士から高い評価を受けており、国内におけるシェアとしてもトップクラスとなっています。
そこで今回、このマネーフォワードクラウドとマネーフォワードMEを連携させることにより、確定申告まで一気通貫で出来るようになったのです。
通常、マネーフォワードクラウドを利用するには月額費用が必要となりますが、現在マネーフォワードMEで無料会員であってもこの連携機能が利用できますから、かなりお得なサービスだと言えますよね。
どんな人にお勧めなのか?
これまでもマネーフォワードMEとマネーフォワードクラウドの連携機能はあったのですが、2020年度の確定申告から対応する機能は、主に「副業の方向け」「医療費控除を目的としている人向け」となっています。
ですから、決算書を作成せず、簡単な雑所得の確定申告をする人や、医療費控除・セルフメディケーションの申告をする人向けという事になります。
という事は、青色申告をしている人や、白色申告をしているけれど少し複雑な内容である場合は、あまりこの機能には期待できないという事です(できない訳ではありませんが)。
そういった方は、やはり最初から会計ソフトを利用したほうが良い場合もありますので、詳しくはこちらの記事もご覧になってみて下さい。
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しかし、今回マネーフォワードは、電子申告にも対応できるようにしていますから、簡単な確定申告でしかも「スマホだけで申告まで全て終わらせたい」と考えている人にはお勧めな機能だと言えるでしょう。
利用上の注意点
それでは次に、マネーフォワードMEで確定申告機能を利用する上での注意点についてもお伝えしておきます。
無料でも使えるが、機能に制限がある
まずは、「無料でも使えるが、機能に制限がある」という事について。
マネーフォワードMEは、無料サービスとプレミアムサービスと呼ばれる有料サービスとに分けられ、無料サービスでの利用には機能制限があります。
特に、この確定申告機能を利用する上で注意したい点が、「1年以上前の入出金明細を閲覧できない」という事。
確定申告をするという事は、2月頃に作成に取り掛かるはずですから、1年以上前のデータが無いと申告書が作成できないことになります。ですから無料会員の方の対策としては、以下の3つの方法のいずれかを選択する事になります。
- マネーフォワードMEの「確定申告スイッチ」をオンにしておく。
- 有料のプレミアムサービスに登録する。
- マネーフォワード確定申告に登録する。
無料のまま使うためには、上記1の方法を選択するしかありませんので十分注意してください。
設定方法としては、上の画像のように、各項目(支出など)ごとに確定申告に反映させるかどうかの「確定申告スイッチ」があります。これをオンにすれば、無料会員で1年以上経過したとしても、この項目が閲覧できなくなることはありません。
この操作が面倒に感じるという人は、最初から有料のプレミアム会員として登録したほうが良いかもしれませんね。
PCでは利用できない
そして次が、「PCでは利用できない」という事について。
そもそもこのマネーフォワードMEは、スマートフォンで利用できるアプリ版と、パソコンで利用できるWeb版がありますが、このWeb版では今回の確定申告機能は利用できません。
ですから、現在Web版で利用している人で、この機能を使いたいという人はアプリ版をダウンロードする必要があるという事です。
手入力しなくてはいけない項目がある
そして最後が、「手入力しなくてはいけない項目がある」という事について。
基本的に、マネーフォワードMEとマネーフォワードクラウドは、多くの項目を自動的に連携する事が出来るのですが、一部の項目において確定申告時に手入力しなくてはならない箇所があります(2021年3月時点)。
例えば、「給与」や「一時所得」といった収入に関する部分や、生命保険や健康保険などの支出に関する部分において連携していない項目があります。
今後機能が拡充していく事と思われますが、現段階においてはある程度自分で入力しなくてはいけませんので、「何もせずに簡単に確定申告が完了する」という訳でもないという事ですね。
インストール方法
それでは次に、インストール方法についても見ていきましょう。
このアプリは、AndroidとiPhoneのいずれでも利用可能で、それぞれ「Playストア」か「App Store」においてインストールする事が可能です。
また、わざわざストアで検索しなくとも、下のボタンを押せば、アンドロイドを使用しているかiPhoneを使用しているか自動で判別しますから、いちいち探すのが面倒だという人は、以下のボタンからそれぞれのサイトでインストールしてください。
マネーフォワードMEを初めて利用するという人は、IDを登録する必要があるので、メールアドレスかGoogleアカウント、Yahoo!Japan IDアカウント、Facebookアカウントのいずれかを選択して登録しましょう。
いきなりプレミアムサービスを利用したいという人も、それぞれのストアで登録できますから、無料か有料かをよく確認してからインストールしてください。
そもそも、確定申告自体がよく分からないという人は?
最後に、「そもそも確定申告自体がよく分からない」という人のために、当サイト内における確定申告関連の記事をご紹介しておきましょう。
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