ほとんどの税理士が認める最強の節税策は「住宅ローン控除」

皆さんは「ほとんどの税理士が認める最強の節税策」と聞いたら、どのような手法を想像するでしょうか?

「海外を利用した節税策」や「保険を利用した節税策」など、様々な手法を思いつくかもしれませんが、実は最強の節税策とはそんなに小難しい手法ではなく、皆さんも良くご存じの「住宅ローン控除」といったら驚くかもしれませんね。

「えっ?住宅ローン控除?なんだかパッとしないなぁ~」なんて思うかもしれませんが、税理士10人に「住宅ローン控除って、やっぱり最強ですか?」と尋ねれば、7人~8人くらいは「そうでしょうね」と答えると思います。

実際、当サイト管理人はこれまで100人以上の税理士の方々と一緒に仕事をしてきましたが、そのほとんどの方がこの住宅ローン控除を利用していました。もちろん、独身者や若手の税理士などは利用していないこともありますが、共通の認識としては「住宅ローン控除を利用しない手はない」と言ったところでしょう。

既に多くのサイトで「住宅ローンを利用しましょう。税金がお得になりますよ」なんて事は皆さん嫌というほど見てきていると思いますが、この記事では、そうしたありふれた意見とは一線を画した視点で、住宅ローン控除について見ていきたいと思います。

税理士が「最強」だと考える理由

それでは早速、なぜ多くの税理士がこの住宅ローン控除を「最強」だと考えるのかについて見ていきましょう。

その理由の一覧がこちら。

最強である理由
  1. 「所得控除」ではなく、「税額控除」であるから。
  2. 税務署から否認される可能性が、極めて低いから。
  3. 制度上、無くなる可能性が低いから。
  4. 何回でも利用できるから。
  5. 使い方次第では、利益も出せるから。

それでは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

「所得控除」ではなく、「税額控除」であるから

まずは、「所得控除」ではなく「税額控除」であるからという理由について。

住宅ローン控除の細かい説明はこの記事では割愛しますが、基本的な考え方として、住宅ローン控除とはその年のローン残高を基準とし、その額に応じて所得税や住民税が減額されるというものですよね。

ローン残高が最高5,000万円まで認められ、その残債の1%が所得税と住民税の一部から引かれる事になりますから、年間で最高50万円の減税効果を得られるという事になります。

更に、年間最高50万円の減税が10年間続きますから、最大で500万円の減税効果が得られるという事になる訳です(その年度によって、これらの金額は頻繁に変更されますから、その辺はご了承願います)。

ここまでは皆さんもよくご存じかと思いますが、ではこれの何が凄いのかというと、それが「税額から直接控除できる」という事に尽きます。

世の中には様々な節税手法がありますが、そのほとんどが「所得控除」、つまり「税額を計算する前の所得(利益)」に対して控除が行われるといったものばかりなのです。

ですから50万円分の税金を節税しようとすれば、相当な額の所得控除が必要となり、節税効果で考えれば圧倒的に「税額控除」の方が上であるという訳ですね。

住宅ローン控除以外の税額控除として有名なのが「ふるさと納税」だと言えますが、日本国内にはこうした税額控除の制度は少ないため、この住宅ローン控除はかなりお得な制度だと言えます。

税務署から否認される確率が、極めて低いから

次が、「税務署から否認される確率が、極めて低いから」という理由について。

いつの時代においても、節税手法というのは「現れては消え」という事を繰り返していますが、これは流行りだした頃は合法であるのですが、その後あまりにも横行し過ぎて国が法改正などを行い、その手法を使えなくするために起きているのです。要は「いたちごっこ」という事ですね。

こうした流行り廃りのある節税手法というのは、ある意味「法のスキを突いた手法」である事が多く、「こうすれば確実に税務署に認められる」というマニュアルのようなものが無く、税務調査があった場合に、税務署から否認される確率が極めて高くなる可能性があります。

その点、この住宅ローン控除というのは、国税庁HPなどで認められるための条件や資格などが事細かに記載されていますから、この通りに申請すれば、まず間違いなく税務調査などで否認されることはありません。

ですから、「節税で最強」などと聞くと、かなり税額が抑えられるような感じもしますが、実はこうした「税務署から否認されにくい」というのも、税理士からすれば最強と感じるのかもしれません。

制度上、無くなる可能性が低いから

そして次が、「制度上、無くなる可能性が低いから」という理由について。

これは前述したように、多くの節税手法というのは「現れては消え」という場合が多いのですが、この住宅ローン控除というのはかなり古くから続いており、もともとは1972年に導入された「住宅取得控除」から始まっていますから、約半世紀前から続いているという事になります。

これまで多少形を変えてはいますが、政府としては、今後もこの住宅ローン控除をなくすことはあまり考えていないでしょう。

というのも、この住宅ローン控除は「景気刺激策」と「消費税増税の代価案」という側面が強く、また不動産業界や建設業界の圧力もあるため、なかなか無くせないという理由があるからです。

せっかく使い勝手のいい節税手法であったとしても、「いきなり終了」となるような内容であれば危なっかしくて使いづらいですが、このように無くなる可能性が低いのであれば、税理士としても安心して顧客に提案しやすいとも言えます。

何回でも利用できるから

次が、この住宅ローン控除は「何回でも利用できる」という事について。

現在、この住宅ローン控除は10年までを上限としていますが、10年が経過した後に繰り上げ返済を行い、また新たに住宅をローンで購入した場合などは、再度改めてこの制度を利用する事が可能となっています。

ですから極論、2回でも3回でも利用する事が出来るという訳です。

もちろん、3回も住宅ローン控除を利用するとなれば、一般的な人からすればあまり現実的ではありませんが、一部富裕層の人からすればあり得無くはない考え方です。

例えば1件目の住宅を購入し、そこに10年間居住して住宅ローン控除の期間が過ぎたタイミングで一括返済を行い、2件目の住宅を購入します。

そうすれば、毎年住宅ローン控除を利用し続ける事が出来ますし、1件目の住宅は丸々資産として残すことが出来ますよね。その住宅を賃貸に出しても良いですし、売却しても良いのですから場合によっては雪だるま式に総資産が増えていくことになります。

しかも、税金は安く済ませる事が出来ますから、富裕層の方からすれば一石二鳥ですよね。

税理士の顧客というのは、会社経営者などの富裕層が多いですから、こうした方法を顧客に提案する税理士は結構いるようです。

使い方次第では、利益も出せるから

そして最後が、「使い方次第では、利益も出せるから」という理由について。

この住宅ローン減税というのは、ローン残高の1%を所得税や住民税の一部から控除できるという事ですが、考え方によっては「1%未満の利息であれば、利益も出る」という事になりますよね。

現在、一般的な住宅ローンの金利はドンドン安くなっており、凄いところでは0.4%なんて金利を打ち出しているところもあります。という事は、この金利が安ければ安いほど利益が出やすいという事になりますよね。

ただし、その融資が所属している会社からの借り入れの場合、無利息や0.2%未満の金利では住宅ローン控除は認められませんから、この場合は少なくとも0.2%以上の金利であることが条件となります。

とは言え、この融資が民間金融機関からの借り入れであって、その利息が0.2%未満である場合には問題ありません。

特に金融機関などは、富裕層向けの特別金利を提供している場合もありますから、工夫次第ではこの住宅ローン控除を利用する事で、利益を出すことも可能となるのです。

ただし、例外もある

このように、何かとお得な住宅ローン控除ですが、全ての人にとってお得になるという訳ではなく、例外もあるので注意が必要です。

それが、「超富裕層」「低所得者層」である場合です。

まず、超富裕層の場合であれば、そもそもこの住宅ローン控除は総所得が3,000万円以上の場合は利用できないため、制度自体を活用できなくなります。

もちろん、超富裕層ともなれば所得が3,000万円を簡単に超えますし、もっと凄い節税手法も利用できるでしょうから、あまり住宅ローン控除事態に興味を示さないことが多いでしょう。

次に、低所得者層の場合は、銀行融資をそれほど高額に設定する事が出来ないでしょうから、この制度の上限額まで借り入れる事は難しいでしょうし、そもそも支払っている税額が少ないため、あまり上記で説明したメリットは享受できないと言えます。

ですから、この住宅ローン控除で得をする人というのは、中間層から一部の富裕層までという事になるでしょう。

まとめ

如何でしたでしょうか。

一見すると大した節税手法のように思えない住宅ローン控除ですが、こうして整理してみると、かなりお得な制度であることがお分かり頂けたかと思います。

ですから冒頭でもお伝えしたように、税理士でこの住宅ローン控除を利用していないという人は少なく、むしろ「大いに利用しましょう」と顧客に指導している人もいるくらいです。

また、税理士によっては、銀行と太いパイプを持っていることもあり、この場合はその銀行がホームページ上で公開している金利よりも安い金利で借りる事も可能ですから、一度顧問税理士などに尋ねてみるのも良いでしょう。

現在、顧問税理士がおらず、税理士を探しているという人はこちらの記事も参考にしてみて下さい。