公認会計士の「就職状況」や「得意とする業務」について

当サイトは、税理士についての情報を中心にお伝えしているサイトですが、公認会計士も税理士になれる事から、公認会計士にまつわる情報についても多数お伝えしています。

一般的に、税理士も公認会計士も「会計のプロ」であることに変わりありませんが、その業務内容はかなり異なります。

業務内容の違いについて詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてみて下さい。

業務を依頼する側、またはこれから公認会計士を目指す人からすれば、正直、公認会計士というのは、「具体的に、どんな仕事をしていて、何を得意とするんだろう?」などと考える事もあるでしょう。

大まかな内容としては、公認会計士の方が書いているブログや、Wikipediaなどを読めばお分かりになると思いますが、そのほとんどがあまり突っ込んだ内容に触れていない事が多いです。

もちろん守秘義務の問題もありますし、内部にいると逆に「自分たちの業務は、世間が公認会計士に抱いているイメージと何ら変わらない」という錯覚を起こしがちになります。

これは公認会計士に限らず、どこの業界でも起こりうることですね。

そこでこの記事では、当サイト管理人が実際に目にした公認会計士業界の「得意とする業務」や、「就職の状況」などについて、お伝えしようと思います。

今後依頼を考えている方、公認会計士の資格取得を考えている方には参考になると思います。

監査法人とは

まず初めに、公認会計士という資格は、税理士と同じように試験に合格しただけでは登録する事が出来ません。

登録するためには、監査法人などで2年以上の実務経験を必要とし、修了考査に合格する事で、晴れて登録する事が出来るのです。

ですから、公認会計士試験合格者の就職先のほとんどが、監査法人への就職となります。

監査法人は、5名以上の公認会計士が社員として参加する事が求められ(ここで言う「社員」とは、一般法人で言う「取締役」みたいなものと考えて下さい)、その規模も様々となっています。

4大監査法人

日本で有名な監査法人と言えば、「EY新日本有限責任監査法人」「有限責任監査法人トーマツ」「有限責任あずさ監査法人」「PwCあらた有限責任監査法人」の4つと言われています。

日本国内では「4大監査法人」などと呼ばれ、この4社で、国内ほとんどの上場企業の監査を取り扱っています。

また、この4社は世界的な会計事務所である、いわゆる「Big4(ビッグ フォー)」と呼ばれる会計事務所とそれぞれ提携しており、世界的に監査手法を共有しています。

提携内容としては、以下の通り。

日本の4大監査法人Big4
EY新日本有限責任監査法人アーンスト&ヤング
有限責任監査法人トーマツデトロイト トウシュ トーマツ
有限責任あずさ監査法人KPMG
Pwcあらた有限責任監査法人プライスウォーターハウスクーパース

これら日本国内の4大監査法人は、何度か名称変更などを繰り返していますので、一応現在(2019年6月)時点での内容となります。

あくまで提携であり、資本関係はありませんが、それぞれ強固に結びついて世界各地で協力し合っています。

少し内容は異なりますが、アライアンスという意味で、航空会社の「ワンワールド」や「スターアライアンス」などを想像してもらえたら、分かり易いかもしれません。

一般的な公認会計士の業務

それでは次に、公認会計士の業務として一般的に知られている業務についてお伝えします。

これは、どこのサイトでも書かれている内容ですので、ご存知の方は読み飛ばして頂いて構いません。

監査業務

まず「監査業務」ですが、これが一番知られている公認会計士の業務内容でしょう。

公認会計士法第2条1項において「他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の監査又は証明をすることを業とする」とありますから、要は「監査証明できるのは公認会計士だけですよ」という事。

基本的に、上場会社などは財務諸表の監査が義務付けられており、これ以外にも会社法上の「大会社」や、いくつかの法人は法律で「監査を受けなくてはならない」と定められています。

ですから、公認会計士のメインとなるクライアントは、こういった大企業などが中心となる訳ですね。

コンサルティング業務

そして次が「コンサルティング業務」です。

公認会計士法第2条2項において「他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の調整をし、財務に関する調査若しくは立案をし、又は財務に関する相談に応ずることを業とすることができる」とあります。

なんだか長くてわかりづらいですね。

簡単に言えば、「お客さんの財務内容や、業務内容に関してコンサルティング出来ますよ」という事です。

コンサルティングと聞けば、外資系のコンサルティングファーム(マッキンゼー、ボスコンなど)を思い浮かべるかもしれませんが、公認会計士も大企業などに対するコンサルティング業務を取り扱っています。

両者のコンサルティング内容に明確な線引きはありませんが、コンサルティングファームが売上拡大、市場拡大などの提案する事が多い事から「攻めのコンサル」と呼ばれる事に対し、公認会計士が所属する監査法人のコンサルティング内容が、内部統制、組織再編などの提案が多いことから「守りのコンサル」などと区別される事があります。

税務業務

そして最後が「税務」です。

公認会計士は、税理士に登録する事により税務業務を取り扱うことが出来ます。

ですから、税理士と同じように「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」の業務を取り扱う事となります。

しかし、一つの企業に対して、同じ公認会計士(監査法人)が「監査業務」と「税務代理」を同時提供する事は禁じられています。

ですから、小規模の監査法人や、個人の公認会計士などは、知り合いの公認会計士などとチームを組み、「A社の監査は、5年間ウチがやるから、税務代理はおたくでやってよ。でも、5年過ぎたら交代しようね」などとやりくりしている事もあります。

上記は、一般的にはあまり知られていませんし、非常にグレーな部分ですので、公認会計士の方々は、あまり口にしない内容でしょう。

ただ、全ての公認会計士がこのような事をしている訳では無く、あくまでも一部であることもお伝えしておきます。

あまり知られていない「公認会計士が得意とする」業務

では、先ほどの「税務と監査を交代で行う」事のように、一般的に知られていない業務で、尚且つ公認会計士が得意とする業務について触れてみたいと思います。

コンサルティング

まずは「コンサルティング」です。

ここで、「あれ?さっきの『一般的な業務』でもコンサルティングってあったよね?」と、思う方もいるかもしれませんね。

そのご指摘の通りなのですが、ここで説明するコンサルティングは、いわゆる「守りのコンサル」という訳でなく、「攻めのコンサル」という事なのです。

元々、この「公認会計士制度」というのは、イギリスが発祥とされています。

それがアメリカに輸入され、戦後、そのまま日本にも導入されたという経緯があります。

そこで本国イギリスでは、日本の公認会計士と同じように、監査法人が大企業の監査業務を取り扱っているのですが、実際の業務のほとんどがこの「コンサルティング業務」からの収益がメインとなっています。

現状、イギリスの監査法人のクライアントに対する業務は、監査業務よりもコンサルティング業務の比重が高まっており、切っても切り離せない関係というのが実情です。

イギリスほどではありませんが、近年は日本の監査法人もこのコンサル業務に力を入れる傾向が高まっています。

監査業務に比べ、コンサルティング業務の方が人員もそれほど必要とせず、利益率も高い事が背景にあるようです。

しかしながら、イギリスでは近年、カリリオンという大手建設会社が経営破綻した事から、公認会計士の制度自体に疑問を投げかけられるようになっています。

監査業務と、コンサルティングなどのいわゆる「非監査業務」を分離する案などが浮上し、世界的にも注目されています(これは、2019年6月時点での情報であり、今後どうなるかはわかりません)。

前述したように、世間的には公認会計士のコンサルティング業務はアドバイザリー業務、つまり、内部統制などのアドバイスを行う「守りのコンサル」などと言われていますが、ここまで問題視されるという事は、実情はそんな事はないということがわかりますよね。

これが良い悪いという判断は横に置くとしても、それだけこの「攻めのコンサル」は、企業からの需要が高いという裏返しでもあります。

これからの時代、コンサルティングの仕事に従事したいのであれば、コンサルティングファームではなく、監査法人も面白いと言えますね。

国際税務

お次が「国際税務」です。

一般的に日本の税理士は、この国際税務を苦手とする方が多い傾向があります。

しかしながら、公認会計士、特に4大監査法人に務める方は、この国際税務に長けた方が多いという印象があります。

というのも、前述したように、4大監査法人はBig4と提携しているため、世界各国の税務情報をいち早く手に入れる事が出来るからです。

これは実際にあった話ですが、とある税理士と4大監査法人出身の公認会計士が、クライアントの海外取引税務の改善について話し合っていました。

すると、その公認会計士は、「それだったら、〇〇国の現地法人を介して・・・、そのあとこうして・・・」と、様々な方法を提案し始めたのです。

しかし、それを聞いていた税理士は、終始キョトンとしていました。

何もこの税理士を庇うわけではありませんが、この方、国内の税法に関しては、かなりの知識と実力を持っています。

しかし、国際税務の話になると、全くと言っていいほどの素人だと言えるでしょう。

近年は、グローバル化が一層鮮明となり、個人の方でも海外に移住したり、海外の税務に関心を寄せる人が増えています。

そこで「税金についてだから、税理士に聞くべきかな?」と考えるかもしれませんが、国際税務に関しては、やはり公認会計士の方が断然実力が上になります。

もちろん、仮に4大監査法人に勤務していたとしても、国際税務に携わった事のない公認会計士であれば話は別になりますが。

あなたが国際税務に興味があるのなら、公認会計士に相談してみるのが良いでしょう。

公認会計士の求人は急増

一昔前は、公認会計士の「就職浪人」という言葉について、ニュースなどで騒がれていました。

これは、世界的な景気後退の引き金となった「リーマンショック」が原因とされています。

リーマンショックが起きたのが2008年で、多くの企業が2009年から2012年くらいまで、惨憺たる決算内容となりました。

そこで、多くの監査法人は景気の先行きに危機感を覚え、新規採用を抑制した経緯があります。

しかし近年においては、むしろ人手不足の傾向が顕著となり、これから試験を目指す人や転職を考えている人にとっては、好条件でかつ好待遇となっています。

そこでその理由について見ていきましょう。

会計不祥事が頻発している

近年、前述したようにイギリスではカリリオンという企業の経営破綻や、日本国内においては東芝など、世界的に会計不祥事が頻発しています。

もちろん企業側の責任が大きいのですが、監査法人の監査能力の質の低下にも問題があるのでは?と、指摘されています。

そこで日本公認会計士協会としても、その対応として、監査方法の厳格化に努めています。

しかしそれに伴い、監査法人の負担も増えてしまい、どうしてもマンパワーを必要とする結果となりました。

こういった事からも、多くの監査法人では近年、資格者採用に力を入れているのです。

国際財務報告基準(IFRS)

公認会計士の求人が増えている第2の理由が、国際財務報告基準(IFRS)を導入する企業が増えたからという事。

正式名称は、国際財務報告基準なのですが、これを「国際会計基準」などと表現する人もいます。どちらを使用しても通じる事は通じますが、アナタが公認会計士を目指しているのであれば、正式名称を使用したほうが良いでしょう。

国際財務報告基準とは、それぞれの国ごとに分かれている会計の基準を、世界的に統一しようというものです。

多くの上場企業は、その営業する地域が多数の国をまたぐため、会計基準がバラバラだと事務処理の負担も高いことなどから、この国際財務報告基準の決算へと乗り換える動きが増えています。

そこで、その導入方法の提案などを監査法人に依頼する事になり、監査法人としてはメイン業務以外の案件が増える事となっています。

この他にも景気拡大による、M&A案件の増加や新規IPO案件など、監査業務以外の案件が増えた結果、監査法人としては、公認会計士を一人でも多く採用したいと考えているようです。

公認会計士の「転職」「就職」

公認会計士の資格を取得し、これから「転職」「就職」を考えている人からすると、現在は売り手市場となっており、好条件の内容が揃っています。

転職・就職を考えるなら、様々な方法が思い浮かぶと思いますが、公認会計士の求人サービスとして有名なのは「マイナビ会計士」と「MS-Japan」「ジャスネットキャリア」だと言えます。

どの求人サービスも評判がよく、多くの求人情報を掲載しています。

特徴を挙げるとすれば、「マイナビ会計士」は新卒・未経験の求人も多く掲載しているので、合格後、「2年の実務経験を積みたい」という人には持ってこいかもしれません。

片や、「MS-Japan」にも新卒・未経験の案件も掲載されていますが、どちらかと言うと「経験者」「管理職」以上をターゲットとしていますので、転職を考えていて、キャリアップを目指す人におススメです。

ジャスネットキャリア」は、掲載案件が多く、公認会計士でなくとも3年以上の実務経験があれば、応募できる案件もあります。

また、どのサイトも事業系会社の求人があり、監査法人だけでなく企業内会計士として働きたい人にも便利な求人サービスですね。

マイナビ会計士

マイナビ会計士】は、公認会計士の求人に特化した求人サイト。通常のサイト上では、あまり案件内容は確認できませんが、無料で登録すれば未公開案件が全て閲覧できます。8割近くが未公開案件ですので、一度登録して、案件を確認してみては如何でしょうか?

特徴1特徴2特徴3
BIg4などの大手監査法人の求人も多数掲載未経験者案件も豊富未公開案件が豊富なので、想像していなかった企業に出会える事も
その他注意事項
事業会社の求人も豊富対象年齢は、25歳~40歳が中心だが、スキルによっては40歳以上の求人も掲載

 

MSーJapan

MS-Japan】は、公認会計士だけでなく、会計や法律などのスペシャリストを対象とした求人サイトです。全般的に経験者向けの求人が多く、そのため年収1,000万円以上の高額案件が多数掲載されています。

特徴1特徴2特徴3
経験者向けの案件が多い管理職採用案件が豊富高額年収案件が多い
その他1その他2-
事業会社の案件も豊富公認会計士だけでなく、他の士業の求人案件も多い

 

ジャスネットキャリア

ジャスネットキャリア】は、数ある転職サイトの中でも「会計のプロフェッショナル」に特化した異色のサイト。このため、公認会計士に限らず、税理士、さらには経理経験者の転職情報が幅広く掲載されています。

特徴1特徴2特徴3
掲載企業が豊富公認会計士に限らず、税理士、経理経験者などの案件もある新卒よりも「転職」がメイン
注意事項1注意事項2-
40代以上の案件はほぼなし未経験者案件は少ない