商業登記の種類と、司法書士に支払う報酬の参考価格

法人を運営する上で必ず一度は経験する「商業登記」ですが、これを代行する専門家といえば司法書士がすぐに思い浮かぶでしょう。

とは言え、商業登記というのは企業によってはそこまで触れる機会も多くないでしょうから、実際に司法書士に依頼するとなれば、どの程度の費用が掛かるのかというのはあまりイメージできないかもしれませんね。

そこでこの記事では、商業登記というのはどういった種類があり、それぞれ司法書士に依頼する場合にはどの程度の費用が掛かるのかなどについてお伝えしようと思います。

あくまでも当サイト管理人が、これまでにクライアントや税理士、そして司法書士などにインタビューをした結果となっていますから、参考程度にして頂ければと思います。

登記業務を取り扱える専門家

まずは前提として「登記業務を取り扱える専門家」についてから見ていきたいと思います。

冒頭でもお伝えしましたが、一般的に登記業務を取り扱えるのは司法書士のみと思われていますが、法律上は弁護士でも取り扱える事とされています(実際に、司法書士会と弁護士が争った裁判の判決でも認められています)。

ですから、法律上では「司法書士」と「弁護士」が登記業務を取り扱える事となっていますが、実務上、弁護士は登記業務に詳しい人が少ないため、結局は司法書士の独占業務になっているといったところでしょう。

実際、これまでに当サイト管理人は会社法を苦手とする弁護士を何人も見てきましたから、会社法の知識を必要とされる商業登記については、司法書士に依頼したほうが安心できます。

この辺については、こちらの記事もご覧になってみて下さい。

 

 

ところで、稀にこれら登記業務を行政書士や税理士などが取り扱っている事もあるようですが、これは完全に違法ですから、いくら国家資格を持っている人だとしても依頼しないようにしましょう。

特にややこしいのが「法人設立」の場合であり、定款認証の代行申請は行政書士でも行えるため、そのまま登記も出来ると勘違いしている人もいるようですが、法務局への申請は行政書士では行えませんので注意しましょう。

一般的な商業登記の一覧

次に、商業登記の種類は多数ありますが、その中でも「一般的な商業登記」の一覧について見ていきましょう。

商業登記の一覧
  1. 法人設立
  2. 役員変更
  3. 増資(新株発行)
  4. 商号変更
  5. 目的変更
  6. 本店移転
  7. 支店設置
  8. 会社合併
  9. 組織変更

この他、「解散・清算人就任」や「清算結了」などもありますが、これらは特殊なため、概ね一般的な企業が触れる内容としては以上の通りとなってきます。

特に、上記1から3までは「一度は経験したことがある」という人が多いかもしれませんね。

商業登記における司法書士への報酬額

それでは次に、前述した商業登記を司法書士に依頼する場合、いくらくらいの報酬を支払う必要があるのかについて見ていきたいと思います。

地域などによってもバラツキがあるため、当サイト管理人がこれまで見てきた平均値をお伝えしようと思いましたが、念のため下限値や上限値もお伝えしておきます(当サイト管理人は、関東圏と近畿圏のデータを中心に整理しています)。

ちなみに、下限値や上限値はあくまでも参考程度であり、ここでお伝えしている金額よりも高い場合もありますし、逆に安い場合もあります。

登記事項下限値(税抜)平均値(税抜)上限値(税抜)
法人設立40,000円70,000円150,000円
役員変更15,000円25,000円40,000円
増資(新株発行)20,000円35,000円50,000円
商号変更20,000円25,000円40,000円
目的変更20,000円25,000円40,000円
本店移転(域内)20,000円25,000円40,000円
本店移転(域外)20,000円35,000円60,000円
支店設置25,000円30,000円50,000円
会社合併50,000円100,000円300,000円
組織変更30,000円40,000円70,000円

(注)上記の金額は、中小企業の商業登記における報酬額となっています。

また注意点として、以下の事にも留意しておく必要があります。

  • 法人設立に関しては、基本的には定款認証の代行申請も含めた金額となっているが、司法書士によっては定款認証の代行申請は別途請求する場合があり、そこは事前に確認しておく必要がある。
  • 法人設立に関して、上記以外にも公証人に支払う費用などは別途必要となる。
  • 基本的に、上記は登記内容がそれほど難しくない場合の費用であり、複雑な内容となれば別途見積もりが必要となる(特に会社合併などは注意が必要)。
  • 遠方の場合には、上記に加えて「日当」「郵送代」を請求する司法書士もいるため、こちらも要確認。
  • 上記以外に、法務局に支払う「登録免許税」が必要。

商業登記の登録免許税

司法書士への報酬額は前述した通りですが、上記以外にも法務局へ支払う登録免許税というものも必要となります。

ですから、実際には「司法書士への報酬」+「登録免許税」=「総額」という事になる訳ですね。

法務局に支払う登録免許税の額は以下の通り。

商業登記の登録免許税

法人設立:株式会社
資本金の額の7/1000。この額が15万円に満たない場合は、1件につき15万円。
法人設立:合同会社
資本金の額の7/1000。この額が6万円に満たない場合は、1件につき6万円。
役員変更
1件につき3万円。資本金の額が1億円以下の会社は1万円。
増資(新株発行)
増加した額の7/1000。この額が3万円に満たない場合は、1件につき3万円。
商号変更
1件につき3万円。
目的変更
1件につき3万円。
本店移転
1件につき3万円。管轄外の場合は3万円×2=6万円。
支店設置
1箇所につき6万円~。
会社合併・組織変更
増加した資本金の額の1.5/1000。一定額以上については7/1000。3万円に満たない場合は3万円。

登録免許税には消費税はかかりませんので、上記価格をそのまま法務局へと納める事になります。

登録免許税を含めた総額の参考値

それでは次に、司法書士へ支払う報酬の平均値と、登録免許税を合計した総額の参考値もお伝えしておきます。

あくまで参考値であり、地域や登記の難易度によっても変わってきますのでご注意ください。

なお、報酬額は平均値を税込にしており、また、「法人の設立費用」「会社合併」「組織変更」については少し内容が複雑となるため、ここでは省略しています。

登記事項報酬額(税込)登録免許税合計額(税込)
役員変更27,500円10,000円37,500円
増資(新株発行)38,500円30,000円50,000円
商号変更27,500円30,000円57,500円
目的変更27,500円30,000円57,500円
本店移転(域内)27,500円30,000円57,500円
本店移転(域外)38,500円60,000円98,500円
支店設置33,000円60,000円~93,000円~

※「登録免許税」は最低額で計算。消費税は10%で計算。

以上、あくまで参考値となりますが、よほど難しい登記内容でない限り、基本的には上記金額で大抵の司法書士は応じてくれると思いますから、現在登記を検討している人は、一度確認してみて下さい。

司法書士の中には、ホームページなどで安い報酬額を記載しておき、実際には「日当は別途追加」「定款変更を伴う場合は〇万円追加」「議事録作成は〇万円追加」などとし、結果的には上記金額よりも高額となる場合があります

上記はあくまでも、それらも含めた金額となっていますから、これ以上高額となるようでしたら多少交渉の余地はあるかもしれません。

登記費用を安く済ませたいなら「AI-CON登記」がおススメ

最後に、登記手続きを出来るだけ安く済ませたいという方のために、「AI-CON登記」というものをご紹介しておきます。

こちらは司法書士が監修しているサイトで、無料登録して登記に必要となる事項を入力すれば、最短15分で登記書類が完成するという優れものです。手数料は、ほとんどの登記において10,000円(税抜)程度で済みますから、司法書士に依頼するよりかなりお得ですよね。

また、万が一法務局において登記が受理されなかった場合には、「返金保証」にも対応しており、AI-CON登記に支払った手数料が全額返金されるというのも安心です。

現在、AI-CON登記で対応している登記申請の内容は以下の通り。

AI-CONで対応している登記
  1. 役員変更(新任)
  2. 役員変更(辞任)
  3. 役員変更(重任・退任)
  4. 代表取締役の住所変更
  5. 商号変更
  6. 目的変更
  7. 本店移転
  8. 募集株式の発行(増資)
  9. 株式分割
  10. ストックオプション

全ての登記申請に対応しているわけではありませんが、ある程度の内容は網羅しているため、「ちょっとした登記だから、そんなにお金をかけたくない」という人にはお勧めです。

例えば目的変更をするとして、司法書士に依頼するとなれば前述したように「報酬額27,500円(税込)」+「登録免許税30,000円」=「合計57,500円」となりますが、AI-CON登記であれば、「手数料11,000円(税込)」+「登録免許税30,000円」=「合計41,000円」と、かなり金額を抑える事が出来ます。

増資などの場合でも手数料は10,000円(税抜)となっていますから、税理士の方であれば顧問先にこのAI-CON登記を勧めてみてはいかがでしょうか。

ちなみに、現時点(2020年10月)においては「株式会社」のみの対応となっていますから、合同会社では利用できませんのでご注意ください。