
簿記検定試験の勉強方法として、まず思いつくのは「独学」かもしれませんが、それ以外にも選択肢はたくさんあります。
他の選択肢について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてみて下さい。
簿記検定試験の合格を目指す場合、多くの人がまず「独学での合格」を考えるかと思います。 もちろん、独学でも十分合格可能な試験ですし、費用的な面で考えれば、独学で勉強しようと思うのは自然な流れだと言えるでしょう。 当サイトに …
その数ある選択肢の中でも、この記事では「通学講座」についてお伝えします。
通学講座は大きく「教室受講」と「DVD受講」の2種類に分けられますが、この2種類の講座の受講費用は、どこの専門学校もほぼ同額にて設定していますし、この二つの大きな違いと言えば「受講時間を自由に選べるかどうか」というくらいです。
ですからこの記事においては、両方をまとめて「教室受講」という形で説明させて頂きます。特徴やおススメの学校、そして一番気になる「講座費用」についても詳しくお伝えしようと思います。
目次
通学講座の特徴
それではまず、簿記検定試験の勉強における「通学講座の特徴」について見ていきましょう。特徴について知るためには、メリット・デメリットについて知れば一番分かり易いかと思います。
そこで、「通学講座」のメリット・デメリットを挙げてみます。
- 講師に直接質問できるため、理解しやすい
- 講義中に問題練習も出来るため、インプットとアウトプットが効率的に行える
- 大手資格専門学校が中心だから、試験対策が充実
- 直前模擬試験もあるので、本試験前に実力を計れる
- コースによっては、Web講義も並行して受ける事が可能
- あえて勉強しなくてはいけない環境を作れる
- 自習室もあり、いつでも利用可能
- 他の受講生と仲良くなり、仲間同士で協力できる
- 各勉強法の中で、一番費用がかかる
- 地域によっては校舎が無く、通学する事が出来ない
- 受講費以外に「通学費用」もかかる
- 授業時間が決まっているため、生活に制限が生じる(教室受講の場合)
- 他の受講生と仲良くなるのは良いが、ダラダラとつるんでしまう事もある(教室受講の場合)
上記を見ると、メリットの方が多いように思いますが、多くの人がこの通学講座に尻込みする理由は、やはり「費用が高額になる」という点にあるでしょう。
更に受講費以外に「通学費用」もかかるため、「教室受講が良いのは分かっているけど、経済的に・・・」という人は、敬遠する傾向にあるようです。
通学講座に向く人、向かない人
それでは、上記の特徴を基に、この通学講座に向く人、向かない人について考えてみます。
- 全くの初学者で、基礎から学びたい人
- 都市部に住んでおり、自宅や会社近くに校舎がある人
- 自分で学習計画を立てるのが苦手な人
- 自宅で勉強するのが苦手な人
- 経済的に余裕のない人
- 地方などに住んでおり、通学が困難な人
- 仕事で残業が多かったり、他の活動が忙しい人
- 仲間でワイワイ勉強するのが苦手な人(教室受講)
以上からわかるのは、やはり「金銭的制約」「時間的な制約」が一番のポイントとなります。
確実に知識を得るには一番の勉強方法ではありますが、上記の制約をクリアできなければ、選択するには難しい勉強方法だと言えます。
おススメの学校
おススメの学校と言っても、そもそもこの「通学講座」を開講している学校自体が少ないですし、また皆さん、どんな学校があるかは大体ご存知かと思います。
そこで以下では、当サイト管理人が多くの税理士や会計事務所の方と会話してきた中で、会計のプロの方々の意見を参考にした「おススメ学校ランキング」をご紹介したいと思います。
資格の大原
- 校舎数 :全国46校
- 【通学講座費用】
- 日商簿記3級:29,800円~
- 日商簿記2級:81,100円~
- 日商簿記1級:152,200円~
- 全経上級 :なし
- ※上記価格は基本の「合格コース」。全経上級講座はありません。
講師 4.0 サポート 4.5 合格率 3.5 資格の学校は多数ありますが、簿記などの会計系の資格に強いのは何と言っても「資格の大原
」でしょう。こちらの特徴としては、講師が専任であるため、試験に合格させるためのサポート体制が整っているという点が挙げられます。講師のレベルが全体的に高いのはもちろんですが、お互いが授業内容を研究しあうため、全体的な底上げを徹底しているという印象があります。
テキストの内容としては、どちらかと言うと「理解」させるための傾向が強いかもしれません。とても詳しく書かれているので、「しっかり理解したい」というタイプの方にはおススメの学校です。税理士試験合格者の多くが、この大原をお勧めしています。
TAC
- 校舎数 :全国36校(うち、提携校14校)
- 【通学講座費用】
- 日商簿記3級:26,500円~
- 日商簿記2級:83,000円~
- 日商簿記1級:151,000円~
- 全経上級 :?
- ※全経上級は、開催時期が限定
講師 3.5 サポート 3.5 合格率 3.5 TACの講師陣も全般的にレベルが高いと言えますが、講師によって力量の差が大きい事があり、「当たり外れがある」といった印象があります。しかしDVD受講の場合であれば、トップレベルの講師を配しているため、その辺の心配は無いと言えるでしょう。
TACの講座はパックやコースの種類が多いため、どれを選んだらいいか悩んでしまうかもしれません。安いからという理由だけで決めず、自分に合った内容を選択しましょう。大原は公開模試を実施していますが、TACにはありませんからこちらも注意が必要です。
LEC
- 校舎数 :55校(うち、提携校27校)
- 【通学講座費用】
- 日商簿記3級:14,850円~
- 日商簿記2級:56,100円~
- 日商簿記1級:127,000円~
- 全経上級 :無し
講師 3.0 サポート 3.5 合格率 3.5 一見すると「LEC
は講座費用も一番安いし、校舎数も多いから魅力的じゃないか?」と考えてしまいそうですが、ここは少し注意が必要です。というのも、LECの校舎のほとんどが提携校であるという事と、しかも仮に本校に通学したとしても、簿記の通学講座を実施している校舎はごく僅かだからです(※新型ウイルスの影響で、ほとんど無くなりました)。ですから、上記の価格は基本的にWeb講座主体であり、単純に他の学校と比べる事は出来ません。
もともとLECは法律系の資格に強い学校ですから、会計系の講師は少ない傾向にあります。
まとめ
如何でしたでしょうか。
基本的に自分に合った学校を選ぶことをお勧めしますが、出来る事なら3級合格後、続けて2級の勉強を始めるのであれば、最初と同じ学校を選んだほうが良いでしょう。
同じ学校で学習することのメリットとしては、割引制度など様々ありますが、何よりも教材が統一されているという事に尽きます。大原で3級合格後、知人から「2級はTACの方が良いよ」と言われ、「じゃあ」とTACに入学すると、まずテキストの内容に慣れるのに一苦労します。
それぞれの学校毎にテキストの「クセ」というものがありますから、あれこれと手を出さずに、一つの学校で統一したほうが学習効果が高いと言えます。
独学に比べ費用がかさむ通学講座ですが、教育訓練給付金などを活用すれば、かなり費用を抑える事もできますから、そちらについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧になってみて下さい。
日商簿記や全経上級の試験に合格するための「学習方法」は様々ありますが、大きく分ければ「独学」か「資格のスクールに通う」かのいずれかを選択する事になります。 費用的な面で考えれば、独学で学習する方が安く済ませる事が出来ます …